だが再雇用されると、太田さんのように待遇を一気に引き下げられ、年収は現役時代の3〜4割になるケースが多い。役職に伴う権限もなくなり、“小さな仕事”に追いやられる。
ところが、である。下図を見てほしい。リクルートワークス研究所が行った調査では、「仕事に満足している人」の割合が60歳の定年後、圧倒的に増加している。仕事への満足感がある人の割合は20代から下がり始め、50歳では35.9%まで落ち込む。が、その後は増加に転じ、60歳では45.3%、70歳では59.6%が仕事に満足していることがわかる。

リクルートワークス研究所の坂本貴志研究員は「小さな仕事だから楽しめる側面がある。短時間の労働で、高いノルマも過度な責任もない。住宅ローンや子育てに追われ、現役時代はとにかく一生懸命働かなければならないが、シニア層はより自由な働き方を選ぶことができる」と話す。
生き生きと働くシニア
では、実際にシニア層はどのように仕事に向き合っているのか。リクルートワークス研究所の調査(下図1)によると、「仕事の責任」「仕事の難しさ」は多くの企業で役職定年を迎える55歳を境に急落する。報酬はもちろん、社会からの評価も同じ傾向だ(下図2)。
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