生命保険業界で相次ぐ不正行為、生保協会主導のコンプラ強化実らず金融庁が「監視強化」へ

生命保険業界で今、営業職員などによる犯罪行為や法令違反が相次いでいる。中でも目立つのが架空の金融商品への投資を持ちかけて、金銭をだまし取るといった詐欺事案だ。
「金利ある世界」に突入し、資産運用への関心が高まる中、投資性(貯蓄性)のある保険商品を扱う一部の営業職員にとっては“詐欺の罠”を仕掛けやすい環境になっているとみられる。
国会でも問題に
「このところ募集人(生保の営業職員など)による投資詐欺事案が複数発生している。(中略)投資性を帯びた生命保険も販売されており、投資の話を違和感なく聞いてしまう風土が醸成されつつある。(中略)こういった中で、募集人管理体制のあり方について見解を聞きたい」
5月14日に開かれた衆議院財務金融委員会。質問に立った委員の1人がそう言って、生保の経営を監督する金融庁の対応を問う場面があった。
この日の委員会の主な議題は、旧ビッグモーターによる保険金不正請求問題やカルテル問題、顧客情報の漏洩問題など一連の「損保不正」に端を発した、保険業法の改正案についてだった。
それにもかかわらず、生保で相次ぐ不祥事があえて取り上げられたのは、被害額の大きさに加えて、さらなる被害の広がりが懸念されているからだ。
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